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ラグジュアリーなサバイバル・コンドミニアム

NEWS BLOG 2017.10.20

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 成功者は高みを好む。都市のタワーマンションの上層階、ペントハウスなどがまさにそれを象徴しています。日本でも三層ぶち抜きのペントハウスが近々東京に誕生するという噂を耳にしました。いよいよ天空のラグジュアリー不動産は本格化してくるのでしょう。と、そういう流れがあるいっぽうで最近、世界と言うか、アメリカでは超富裕層が地中深くに潜ってしまうという逆転現象があるようです。

 サバイバルコンドミニアム・プロジェクトをご存じでしょうか。アメリカ・カンザス州ウィチタの北部。という以上に詳細な場所は明かされていませんが、このサバイバル・コンドミニアムはあります。地下15階のこの建物は、もともとICBM(核弾道ミサイル)のサイロだったところを改造して作られました。サバイバル・コンドミニアムを開発したラリー・ホール氏はかつて政府系企業を顧客としていた不動産ディベロッパー。9.11を機にアメリカ政府が大規模災害対策予算を大幅に上げることを決定したことから、このアイデアを思いついたといいます。

 2008年、ホール氏は役務を終えたICBMのサイロを30万ドルで購入。世界の終末に備える、余裕のある超富裕層に向けたラグジュアリーコンドミニアムに改装しました。核戦争、疫病、およそ考えられる人類最悪の事態に備えるために。いずれ世界中の選ばれし1%の人だけが生き延びるハルマゲドンの時が来るというコンセプトの、このサバイバル・コンドミニアム・プロジェクトは建設に2000万ドルがかけられました。 サバイバルコンド22  ここでは12家族とスタッフが暮らせます。1フロアユニットは170㎡。3ベッドルーム2バスルーム、キッチン、ダイニングと大部屋が1室。価格は1フロアユニットが300万ドル。2分の1フロアがその半額。すべてのユニットが、コンドミニアムの工事が完了する2012年までに売り切れました。 サバイバル31  共用空間には映画館、図書館、グローサリーショップ、養魚場、ガーデン、プール、水耕栽培の畑、クライミングウォール、犬の公園など様々な場所があり、「世界の終末を快適に過ごす」ための、食と学び、スポーツとリラックスの環境が整えられています。このプロジェクトでは3つのサイロを改造したコンドミニアムが企画されており、第二弾はすでに工事中で2018年秋完成予定。すでに半分は売約済ですが、まだ購入可能なユニットはあります。 サバイバル41  今年、北朝鮮がミサイル発射実験を行った際には、ホール氏のオフィスにひっきりなしに電話の問い合わせがあったとか。アメリカの超富裕層が、真剣に大災害からのエスケ-プを考えていることが伺えます。このサイロ転用型コンドミニアムはアメリカの歴史と、軍用施設を民間に安く払い下げるという文化から生まれたものでしょうが、同様の機能を持ったシェルター型ラグジュアリー不動産が日本でもこれから現れるのではないでしょうか。

 ちなみにこのコンドミニアムへの入居は、核戦争であれ疫病の大流行であれ「ハルマゲドン」が発生した時。コンドミニアムから半径640km以内にいるオーナーをSWAT部隊を載せたトラックが駆けつけ、ピックアップしての入居になるようです。本当に命がけのラグジュアリーです。



参照サイト:Business Insider

photo :Survival Condo



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