世界一NOBLEな方(2)

M. Christophe 2019.12.09
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世界一NOBLEな方、フランシスコ教皇さまが、38年振りに来日されました。
教皇さまは、まず長崎・広島の被爆地を訪れ、核兵器の廃絶を訴えられました。
「この場所は、わたしたち人間が過ちを犯しうる存在であるということを、悲しみと恐れとともに意識させてくれます」と述べ、「国際的な平和と安定は、相互破壊への不安や、壊滅の脅威を土台とした、どんな企てとも相いれないものです」と語られました。核兵器がもたらす「恐怖」について語り、核兵器は世界平和にとって「解決策」ではないと述べられました。冷戦下にあっては、パウロ6世、ヨハネ・パウロ2世は、いずれも核を「必要悪」として容認してきた中で、鮮烈な印象を与えましたね。

日頃、ローマ教皇さまを知らない日本人も、11月23~26日の4日間の滞在期間中、一度はテレビに映る白い法衣姿をご覧になられたのではないでしょうか。ユーモアに溢れ、威風堂々としたいでたちで、それでいて笑顔を絶やさず、イエズス会の司祭の頃から親日で知られ、日本に対する憧れもあったと聞きます。

今回、縁があって、東京ドームで行われたミサにお招きいただきました。
1階の10番1号席というアリーナ席のとても良い席を得て、15:30の開始に先立つ14:00には会場入り。今か今かと待ちわびていると、定刻を少し過ぎたころ、世界一NOBLEなお方、教皇さまの乗られた車が場内に登場。会場が一気に沸きます。

 

教皇さまの乗られるお車は、パパモビルとよばれるオープンカー。
パパモビルは、故ヨハネ・パウロ2世が即位した直後の1979年頃から利用されるようになり、これまで多くの自動車メーカーが人気モデルを改造し、提供してきました。今回の訪日で使用されたパパモビルは、トヨタ自動車の燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」がベース車両。

真っ白なMIRAIの特別仕様のオープンカーに乗った教皇さまが現れると、、5万人を数える参列者たちはバチカンや日本の国旗を振って歓迎。教皇さまは20分ほどかけて会場を回り、時に大きく手を振り、参加者の中にいた幼い子供にキスをしたり、笑顔で歓声に応えていました。私のすぐそばもお通りになられたので、携帯で写メを取らせていただけました。

 

そもそも、今回の訪日でパパモビルにMIRAIが選ばれたのには背景がありました。2015年に教皇さまが提出した「回勅」と呼ばれる公式書簡「ラウダート・シ」は環境問題がテーマで、消費者の選択により「企業の態度を変え、環境への影響と生産モデルを考えさせる」と訴えています。

MIRAIは、世界初の量産FCVであり、水素と酸素の化学反応で発電し、モーターを回して走る自動車で、水素をタンク満タンにすると、約650kmもの走行が可能になります。

日本のカトリック教会を統括するカトリック中央協議気合の発表によると、今回のパパモビルは、回勅で言及された「教皇さまの意向に沿うように」制作されたとしている。トヨタ自動車の渉外広報部によると、教皇さまの訪日にあたって、カトリック中央協議会から相談があり、協議を進める中でトヨタ側が寄贈を決めたといいます。

私も6年ほど前から、ローマ教皇さまにはMIRAIが相応しいとお伝えしてきましたので、今回、無事に乗っていただけることになり、とても嬉しく思っています。

朝、大使館敷地内に静かに停まっているMIRAI


トヨタ車ですが、バチカンのナンバープレートとフラッグを付けています。

Stato della Citta del aticano, State of the City of the atican

ステート オブ ザ シティ オブ バチカン
バチカン市国

ローマ教皇さまの素敵なところは、無駄なものにお金をかけない、いたって庶民的なところかもしれません。「福音伝達に贅沢な高級車では不要である」として、警備用に使われていたフォード・フォーカスや、寄贈されたルノー・4を用いていると聞きます。首からかけている十字架もシルバーでしたし。

でも、そこはやはり威風堂々とされたローマ教皇さま。
まさに世界一のNOBLEでした。
お会いできて、嬉しかったです。

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