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憧れのリブイン-シェフ

Mimi 2018.12.25

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 お料理が好き。それを食べるのが好き。それを家族や友人たちに振る舞って、おいしいね、って言って貰うのがもっと好きな私は、塩分が苦手。よそで食べると「恐れ入りますが、お水をお願いします」を5回くらい繰り返すことになる。なんで、恐れ入らなくちゃ、水も飲めないのか。だからよそで食べるより、自分の家でよい塩梅の物を食べたい。好きなワインを飲んで酔っ払っても、ベッドルームに直行できるし。

  そんな私でも憧れたのが、モナコの王様だ。王様のシェフは、毎日違うメニューを3種類ノートに書いて王様に提出。すると、王様は自分の食べたい料理に印を付けて返却。 王室の菜園の採れたて野菜をふんだんに使った料理はヘルシーで、見た目もおいしそう!

  モナコの王様みたいな生活を数日だけでもしてみたい、と夢のように思っていたが、なんとその夢が叶ってしまった。

  きっかけは、クリスマスイブのファミリー・コンサート。バイオリニストの中根みどりさんは、この季節忙しく、うちに来られるのは24日だけだという。ところが、その日は祝日なのに、Mimi の大学は休講にならず、コンサートの後のディナーが拵えられない。

  そんな時、「智絵ちゃん」という名が浮かんだ。智絵ちゃんは、数年前に私の講義を取った学生さんで、今は管理栄養士。料理の腕は抜群だ。その智絵ちゃんを誘ってみたら、クリスマスディナーのメニューの作成から調理までお任せくださいとのこと。こうして思いがけず、モナコの王様の疑似体験をすることになった。2泊3日で来てくれる間中、栄養的にもバランスが取れ、おいしいものがいただける。

  智絵ちゃんが考えてくれたクリスマスディナーのメニューは次のとおり。

・鯛とサーモンのカルパッチョ
・バゲットとロースハムのペースト
・チーズ・ミートローフ
・カニとマッシュルームの豆乳フラン
・温玉チーズ焼き

  智絵ちゃんがlineで送ってくれた写真つきのメニューを見ただけで期待感が高まった。  智絵ちゃんは22日の午後に来てくれた。初日はうちが会場の、息子と水球部仲間のパーティ。産地直送の殻つき牡蛎を大吟醸とともに味わうのが趣旨だが、差し入れ料理は必須だ。何しろ、体育会系は飲むのも食べるのもたくさんなので、ホントに作り甲斐がある。智絵ちゃんは、パーティーに参加して酔っ払いながらも、料理を出し、デザートのケーキを焼いてくれた。若い女性の参加に、水球部の面々も嬉しそうだ。



  翌朝の23日の朝ごはんは、クランペット。アンの送ってくれたクランペットの型を使い、智絵ちゃんが焼いてくれたクランペットは絶品だ。もっちりしていて、味わい深いクランペットは、本場ものと同じ味だ。裂け方も良い。



  その日の夜、このブログで以前に「Eのつくアンのナッティ―・ケーキ」という題で紹介した二種のケーキを智絵ちゃんが焼いた。夜中の1時、ケーキが焼き上がりほっとする。 隅っこをちょっと食べて見ると、これぞ絶品という味。アンに写真とメールを送る。



  いよいよイブの朝。智絵ちゃんが作ったのはスコーン。クロッテッド・クリームと一緒に食べて至福の時間。



  午後には音楽会。いつもながら、みどりさんの演奏は素晴らしい。ゲンちゃんは、クリスマスプレゼントのおままごとセットで遊んでいるように見えて、軽快なクリスマス・メドレーになると、曲に合わせてにこにこして体を揺らしている。その姿を見て、いつの間にか出席者全員ゲンちゃんと一緒に体を揺らして音楽の波に乗っている。赤ちゃんがいるクリスマスって、ほっこりして、なんと楽しいのだろう。小鳥のピクチャも、音楽が鳴り出すと、一緒にさえずる。ファミリーみんなが、幸せの空気の粒子を呼吸しているようだ。



  そして、いよいよディナー。いろいろなお料理が一度に出来上がるような、タイミング。それまで何もなかったテーブルに、あっという間にアツアツの料理が並べられる。私は、どんどん賑やかになっていくテーブルを感嘆の面持ちで見つめる。



  そして、それぞれの好きな飲み物、赤ちゃんは牛乳でカンパーイ。そして、お料理をいただく。おいしい!としか言いようのない、智絵ちゃんの知性と愛情が感じられるお料理。
こんなすごい料理はない、と皆が口々に絶賛したから智絵ちゃんは報われただろう。家族一同、音楽と料理のコラボを実現してくださった2人に感謝。そして私は、音楽を愛する孫に感謝。こんなにかわいくて感受性の豊かな孫を育てている息子夫婦にも感謝。こうして、みんなで楽しくクリスマス・イブを過ごせる幸せに感謝。

  多分私は、モナコの王様と同じくらい、か、もっと幸せ。


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